昔話や童話についてはド素人

 このまま言い負かされるのは癪だと思ったマル子は、
 一所懸命考えた。
 昔話や童話についてはド素人じゃない、という思いもある。
 幼稚園の先生なのだ。
 「昔話には残酷な話も多いじゃないですか新西兰签证
 でもイソップは残酷な感じがしないです。
 子どもに聞かせたいです」
 最近の絵本や昔話の本では、残酷なシーンを書き換えたものが多い。
 カチカチ山の狸は、お爺さんに婆汁を食べさせない。
 ひどいのになると、ウサギは狸を殺さない日本房屋買賣
 一寸法師は、お姫様を無実の罪でハメたりしない。
 教育的配慮という奴で、原作を改ざんしている。
 その点イソップは改ざんの余地がない。

 「う〜ん、でもねえ、ひねくれている気がするんだよねえ。
 幼い子には聞かせたくない。分別がついてからにしたい。
 人生の教訓にするには、ちょっとね。
 ほら、イソップは奴隷だったらしいじゃない。
 きっと、器を変えて欲しいと言えない立場だったんだろうね。
 届かない葡萄がいっぱいあったんだろうねえ。
 生き方を選べなかったんだろう。
 神様は、人間を玩具にしているとしか思えなかったのかも。
 そう考えると、分からんでもないかな」

 イソップにとって、ウサギとカメは、
 最初から最後まで、相容れない存在でしかなかったのだ。

 ケーキが一つ残っている。
 マル子とペケ子が同時に手を出し、ペケ子が勝った。
 「ちぇっ」
 マル子が悔しがった香港工作簽證
 手みやげを持ってきた客に、この扱いである。
 しかし、困った時に踏み台になってくれる気はあるらしい。
 イソップよりは幸せなのだろう。
 マル子は、そう思うことにした。


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