「母さんに見つかった!」
黙っているわけにはいかなくて、トラックに近付くと、しかたなくじいちゃんに報告する。
じいちゃんはチラリと助手席を見ると
「なんだ…もう綾女に見つかったのか?」
呆れたように、じいちゃんが笑った
紮肚。
だがさして気にする様子もない。
裕太は頭を縦に振ると、
「母さん、ご飯作ってたよ」
あんなに早く起きるなんて…予想外だった。
こればかりは、どうしようもない
孕婦按摩。
「何か言われたか?」
一応…とばかりに、じいちゃんが聞くと
「うん」
裕太は大きくうなづく。
「でも、おかしいんだ。
いつも朝早く来る牛乳が…今日はまだ、配達していないんだ」
先ほどのやり取りを思い出す。
「そうか?」
大して感心なさそうな口調でじいちゃんは聞くと、
「ほかに何か、不自然なことは、なかったか?」
裕太の顔をじぃっと見つめた。
確かにささいなことなのかもしれない…
でももしかして、さっきの自転車と、何かかかわりがあるのか…と
永久脫毛。
裕太は助手席のドアを開けると、ストンと腰を下ろす。
「ありゃりゃ~早速綾女に見つかったのかぁ」
おどけた調子で、じいちゃんは大げさに顔をしかめてみせた。
「うん」とうなづきつつも、
(しまった!せめて何か…食べ物をもらってくればよかった)
今さらのように、後悔をする。
何しろまだ、歯も磨いていないし、顏も洗ってはいない。
のどもカラカラだ…
寝ぐせのついた頭に、目ヤニもつけたまんまだったので、裕太はあわてて口を閉じて、
髪を手で押さえた。
「なんだ、まだ何も食べていないのか?」
そんな裕太の様子を、じいちゃんは微笑みながら見つめると、
裕太は少し顔を赤らめて
「うん」とうなづいた。
「まぁ、朝早いし、仕方がないよなぁ」
じいちゃんは楽しそうに言うと、その時丁度、裕太のお腹がぐぅと鳴った。